- 9月 17, 2026
中耳炎がうつるのは誤解?感染する主な原因と症状、予防対策を解説
「中耳炎はうつるのでは?」と不安に感じたことはありませんか。
特に子どもがかかった場合、家族や周囲への影響が気になる方も多いでしょう。
しかし、実際には中耳炎そのものが人から人へ直接感染することはありません。
本記事では、中耳炎がうつると誤解される理由をはじめ、発症の原因や種類ごとの特徴、代表的な症状、そして日常生活でできる予防対策までをわかりやすく解説します。
中耳炎はうつるの?

中耳炎はうつる病気と誤解されることが少なくありませんが、実際には中耳炎そのものが人から人へは感染しません。
中耳炎は、鼻や喉に入ったウイルスや細菌が耳管を通じて中耳に入り、炎症を起こすことで発症します。
そのため、原因となるウイルスや細菌に感染したとしても、それが直接中耳炎をうつすわけではありません。
一方で、風邪やインフルエンザなどを介してウイルスや細菌が他人にうつる可能性はあります。
つまり、風邪がうつった結果として中耳炎を発症するケースは起こりえます。
特に幼児や小児は、鼻や喉から細菌が耳に届きやすく、中耳炎になりやすい傾向があります。
このように、中耳炎は直接うつる病気ではありません。
しかし、感染症をきっかけに発症する場合が多いため、風邪予防は中耳炎の予防にもつながります。
中耳炎の種類

中耳炎といっても、その原因や症状、経過にはいくつかのタイプがあり、それぞれで治療法も異なります。
ここでは、中耳炎の代表的な種類について解説します。
急性中耳炎
急性中耳炎は、最も一般的なタイプの中耳炎で、特に乳幼児に多く見られます。
風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症をきっかけに、鼻や喉に存在する細菌やウイルスが耳管を通じて中耳に侵入し、急激に炎症を起こします。
主な症状は強い耳の痛み、発熱、耳だれ、食欲不振などです。
乳幼児の場合、耳を頻繁に触ったり、不機嫌になったりする様子がみられることもあります。
初期に抗生物質や鎮痛薬で適切に治療すれば数日で回復しますが、放置すると鼓膜が破れたり、慢性化するおそ恐れもあるため、早めの受診が大切です。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、炎症が続いたり治りきらなかったりした結果、中耳腔に液体(滲出液)がたまる状態を指します。
痛みや発熱はほとんどありませんが、耳が詰まったような違和感や、聞こえにくさ、こもったような音に感じることが特徴です。
特に子どもでは、難聴に気づかず言葉の発達に影響を及ぼす場合もあります。
原因としては、風邪の後遺症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで耳管の通りが悪くなることが挙げられます。
自然に改善することもありますが、症状が長引く場合は通気治療や鼓膜切開などが検討されます。
慢性中耳炎
慢性中耳炎は、急性中耳炎を繰り返したり治療が不十分な場合に慢性化した状態です。
鼓膜に穴(穿孔)があいたままになり、耳だれが続く、聞こえにくいといった症状が長期間持続します。
症状が軽い場合でも、放置すると聴力低下や内耳炎、顔面神経麻痺などの合併症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
治療には、抗生物質による感染のコントロールや、耳だれの除去を目的とした耳洗浄、場合によっては鼓膜再生手術(鼓膜形成術)が行われます。
再発を防ぐためにも、早めの医師による診断と根本治療が重要です。
好酸球性中耳炎
好酸球性中耳炎は、主にアレルギー体質の方や喘息を持つ方に多く見られます。
耳の中に好酸球という白血球の一種が集まり、粘り気の強い耳だれを繰り返すのが特徴です。
通常の抗生物質では改善しにくく、長期間にわたって炎症が続くこともあります。
主な症状は、難聴・耳だれ・耳閉感で、進行すると感音難聴を招くリスクもあります。
治療には、ステロイド薬の点耳や内服、アレルギーや喘息のコントロールが重要です。
真珠腫性中耳炎
真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が内側に入り込み、その内部に角質(皮膚の老廃物)がたまることで進行する中耳炎の一種です。
初期には自覚症状が乏しい場合もありますが、進行すると耳だれや難聴、耳の奥の違和感などが現れることがあります。
さらに悪化すると、めまいや顔面神経麻痺、頭蓋内合併症といった重い症状につながる可能性も否定できません。
治療は薬だけでは根本的な改善が難しく、基本的には手術によって真珠腫を取り除く必要があります。
急性中耳炎になる主な原因

急性中耳炎は、さまざまな原因によって発症する可能性があります。
ここでは、急性中耳炎になる主な原因を解説します。
風邪やインフルエンザなどがきっかけ
よくある原因が、風邪やインフルエンザなどの上気道感染です。
ウイルスや細菌が鼻や喉で増殖し、炎症を起こすと、耳管を通じて中耳へと感染が広がります。
特に風邪をひいた後に耳の痛みが出るケースは、急性中耳炎の典型的な経過です。
また、免疫力が低下していると、細菌感染が広がりやすくなります。
子どもの耳管の構造
子どもの耳管は大人と比べて短く、さらに角度が水平に近いという特徴があります。
大人の場合、耳管は斜めに伸びており異物が入りにくい構造ですが、子どもはその防御機能が十分に働きにくいため、急性中耳炎を発症しやすい状態にあります。
また、子どもは耳管の開閉機能も未発達であり、中耳内の圧力調整や排液がうまく行えないことも一因です。
その結果、一度炎症が起こると中耳に液体がたまりやすく、症状が長引く傾向があります。
さらに、免疫機能も発達途中であるため、感染症そのものにかかりやすい点も見逃せません。
鼻をすする癖がある
鼻をすする行為は、一見すると軽い癖のようですが、急性中耳炎のリスクを高める原因のひとつです。
鼻をすすると、鼻腔の奥にたまった鼻水が耳管を通って中耳へと逆流してしまいます。
鼻水の中にはウイルスや細菌が含まれているため、中耳への侵入は炎症を起こす原因です。
鼻づまりや鼻水が続くときは、無理にすするよりも、鼻を優しくかみ、必要に応じて耳鼻科で吸引してもらいましょう。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎も急性中耳炎の原因になることがあります。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応して鼻の粘膜が腫れると、耳管が狭くなり、中耳の換気が悪化します。
その結果、鼓膜の奥に空気がたまらず陰圧になり、滲出性中耳炎を引き起こす場合があります。
アレルギー性鼻炎を放置すると、鼻づまりが慢性化し、中耳炎を繰り返す原因になるため注意が必要です。
急性中耳炎の症状

急性中耳炎の代表的な症状は、以下の通りです。
- 耳の痛み
- 発熱
- 耳だれ
- 聞こえの悪さ
ここでは、中耳炎の症状について解説します。
耳の痛み
耳の痛みは、急性中耳炎で最も代表的な症状のひとつです。
中耳の中に膿や炎症による液体がたまり、鼓膜が内側から圧迫されることで強い痛みを引き起こします。
大人でも我慢できないほどの痛みを感じることがあります。
鼓膜が破れて膿が外に出ると圧が下がり、痛みが一時的に軽減することもありますが、自己判断で放置すると悪化するおそれがあります。
発熱
急性中耳炎では38〜39度の高熱が出るケースも少なくありません。
発熱は体が細菌やウイルスと戦っているサインであり、炎症の強さを反映しています。
子どもの場合、熱とともに耳の痛みやぐずり、食欲低下、眠りの浅さなどが見られることがあります。
発熱が長引いたり、耳の痛みが治まらない場合は、細菌感染が進行している可能性もあるため、自己判断で解熱剤だけに頼らず、原因の治療を行うようにしましょう。
耳だれ
耳だれは、鼓膜の内部で炎症が進行して膿がたまり、それが外耳道へ流れ出る状態を指します。
多くは鼓膜に小さな穴が開き、膿や液体が出てくることで起こります。
耳だれが出ると、一時的に痛みが軽くなることもありますが、炎症自体は続いているため注意が必要です。
また、耳だれには菌が含まれている場合が多く、タオルの共用などで他人に細菌がうつる可能性もあります。
耳だれに気づいた際は、耳を強く拭いたり綿棒を奥まで入れたりせず、清潔を保ちながら早めに耳鼻科で治療を受けましょう。
聞こえの悪さ
急性中耳炎では、鼓膜や中耳の中にたまった液体が音の伝達を妨げるため、一時的に聴力が低下することがあります。
特に滲出性中耳炎や慢性中耳炎では、痛みがほとんどないにもかかわらず「聞こえづらい」「音がこもる」と感じるケースも珍しくありません。
例えば子どもの場合、テレビの音を大きくする、呼んでも反応しないなどの行動がサインになることがあります。
長期間放置すると聴力の回復が遅れることもあるため、聞こえに違和感を感じたら、できるだけ早く耳鼻科を受診しましょう。
急性中耳炎の感染を防ぐ対策

急性中耳炎は、人からうつる病気ではありませんが、原因となるウイルスや細菌は感染することがあります。
そのため、急性中耳炎の感染を防ぐには、普段からの感染症対策と生活習慣の見直しが重要です。
ここでは、日常生活の中で取り入れやすい予防策を紹介します。
手洗い・うがい・消毒の徹底
風邪やインフルエンザを防ぐことは、急性中耳炎の最大の予防策といえます。
外出後や食事前後には、石けんを使って丁寧に手を洗い、ウイルスを体内に持ち込まないようにすることが基本です。
また、外出後の手洗いや適切な衛生管理を心がけましょう。
特に冬場や流行期には、マスクを着用して口や鼻からの感染を防止することが重要です。
こうした日常的な感染対策が、結果的に急性中耳炎を未然に防ぐことにつながります。
耳だれを直接触らない
急性中耳炎が進行して耳だれが出ている場合、患部の膿や液体には細菌が含まれていることがあります。
そのため、他の人が直接触れると感染を広げるおそれがあります。
また、自分自身でも手指を介して別の部位に細菌を広げてしまう可能性があります。
耳だれに気づいたときは、清潔なティッシュやガーゼで軽く拭き取り、すぐに手を洗うことが大切です。
タオルや枕カバーはこまめに交換し、家庭内での共有は避けましょう。
清潔を保つことが、再感染や他者への拡大防止につながります。
鼻を強くかまない
鼻を強くかむと、鼻腔内の圧力が一気に上がり、鼻水や細菌が耳管を通って中耳に逆流することがあります。
これが急性中耳炎を悪化させたり、再発の原因になったりします。
鼻をかむ際は、片方ずつやさしくかむことがポイントです。
鼻づまりがひどい場合は、鼻洗浄や加湿器を活用して粘膜の状態を整えるほか、症状が続く場合は耳鼻科で吸引してもらうのが安全です。
水が耳に入らないようにする
急性中耳炎の治療中や治療後は、水が耳の中に入らないよう注意が必要です。
入浴時やプールなどで水が中耳に入ると、細菌感染や炎症の再燃を引き起こす可能性があります。
特に鼓膜に穴が開いている場合は、感染リスクが高まります。
入浴時には、耳を下に向けて洗う、シャワーを直接耳に当てないなどの工夫をしましょう。
規則正しい生活やバランスの良い食事
中耳炎を防ぐには、免疫力を保つことが欠かせません。
睡眠不足や偏った食生活は、体の抵抗力を弱め、風邪や感染症にかかりやすくなります。
栄養バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンCやタンパク質、亜鉛など免疫機能を支える栄養素を意識的に摂りましょう。
また、十分な睡眠と適度な運動も免疫維持に有効です。
規則正しい生活習慣を続けることで、体調を崩しにくくなり、中耳炎の予防にもつながります。
まとめ
中耳炎は、子どもから大人まで誰にでも起こり得る身近な病気ですが、うつる病気ではありません。
中耳炎そのものが感染するわけではなく、風邪やインフルエンザなどのウイルス・細菌が鼻や喉で広がり、それが耳に波及して炎症を起こすのが主な原因です。
代表的な種類には、急性中耳炎・滲出性中耳炎・慢性中耳炎・好酸球性中耳炎・真珠腫性中耳炎があり、それぞれ症状や治療法が異なります。
耳の痛み、発熱、耳だれ、聞こえにくさなど、初期のサインを見逃さず、早めに耳鼻科を受診することが重症化を防ぐポイントです。
急な耳の痛みでお困りなら、東西線葛西駅中央口から徒歩約6分にある『はら耳鼻咽喉科』にご相談ください。
当院では、自動血球計数CRP測定装置(Yumizen H630CRP)を用いて、白血球数や白血球分類、CRPを同時に検査することによって、中耳炎の原因が細菌性かウイルス性なのかを診断します。
また、鼓膜切開・鼓膜チューブ留置術が必要になった際でも、麻酔器によって患者さまの負担を減らした治療が可能です。
耳の不調を感じたら、放置せず早めに耳鼻科へ相談しましょう。