- 9月 17, 2026
鼻をかむと耳が詰まるのはなぜ?原因と今すぐできる対処法、耳鼻科を受診すべき症状を解説
鼻を強くかむと耳が詰まったような感覚を覚えることは、誰にでも起こりうる身近な症状です。
この不快感の主な原因は鼻と耳をつなぐ「耳管」を通じた気圧差で、風邪やアレルギー時に特に起きやすい傾向があります。
一時的な症状がほとんどですが、耳垢の詰まりや耳管の腫れ、自律神経の乱れも関係します。
この記事では、鼻をかむと耳が詰まるように感じる原因と対処法、耳鼻科を受診すべき目安を解説します。
鼻をかむと耳が詰まるように感じるのはなぜ?

鼻を強くかんだとき、「耳がボワッとする」「詰まったような感じがする」という経験をしたことはありませんか?
この症状は多くの人に起こるもので、鼻と耳が密接に関係していることが原因です。
ほとんどの場合は一時的なものですが、主に以下のような原因によって症状が現れます。
- 一時的な気圧差によるもの
- 耳垢の詰まり
- 耳管周囲の腫れ(耳管狭窄症)によるもの
- ストレスや自律神経の乱れによるもの
- 耳管の開きっぱなし(耳管開放症)によるもの
ここでは、鼻をかむと耳が詰まるように感じる原因を詳しく解説します。
一時的な気圧差によるもの
鼻をかむと耳が詰まるように感じる原因で多いのは、中耳と外の空気との気圧差です。
耳の中では鼓膜が外の音を受け取り、その内側の中耳との間に空気の圧力差があると、鼓膜が引っ張られるような感覚が生じます。
鼻を強くかむと、鼻の奥から勢いよく空気が押し出され、耳管を通して中耳にも圧力が伝わります。
その結果、一時的に耳管のバランス調整機能がうまく働かず、詰まったように感じます。
この症状は、飛行機の離着陸時に耳が詰まる現象と非常に似ており、環境の気圧変化に耳管が追いつかないことで起こるもので、鼻をかんだときの詰まりも同様に内部と外部の圧力差が原因です。
通常は数分で自然に治りますが、もし頻繁に起きる場合は、耳管がむくんでいたり炎症を起こしている可能性があります。
風邪やアレルギー性鼻炎があると耳管が腫れやすくなるため、鼻の症状がひどいときの強い鼻かみには注意が必要です。
耳垢の詰まり
耳垢の詰まりも耳が詰まるように感じる原因です。
耳垢は外耳道に自然に溜まるもので、本来は少しずつ外へ排出されますが、耳かきを頻繁にしたり、綿棒で奥へ押し込んでしまうと、耳垢が固まり耳の通りをふさいでしまうことがあります。
耳垢によって空気の振動が伝わりにくくなると、「音がこもって聞こえる」「耳が詰まったように感じる」といった症状が出ます。
鼻をかんだときに生じる気圧の影響も、この耳垢によって調整しづらくなるのが原因です。
ただし、耳垢が原因の詰まりは、自分で耳かきしても解消できないケースがあり、無理に触ると鼓膜を傷つける危険があります。
特に耳垢栓塞と呼ばれる状態になると、耳鼻科での処置が必要です。
耳管周囲の腫れ(耳管狭窄症)によるもの
鼻をかんだあとに耳が詰まりやすい人は、耳管そのものが炎症で腫れている(耳管狭窄症)可能性があります。
耳管は非常に細い管で、風邪や花粉症、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などが原因で粘膜が腫れると、空気の通りが悪くなります。
こうした状態では、鼻をかむと一気に圧力がかかって中耳と外気のバランスが崩れ、強い圧迫感を感じやすくなるでしょう。
また、長引く副鼻腔炎では、常に鼻の奥が炎症を起こしており、耳管の開閉機能が低下しているケースもあります。
この場合、「耳が常に詰まった感じがする」「自分の声がこもって聞こえる」といった症状が出ることがあります。
こうした耳管の腫れによる詰まりは、根本的な治療が必要です。
自己判断で放置せず、早めに医師に相談するようにしましょう。
ストレスや自律神経の乱れによるもの
ストレスや自律神経のバランスの乱れも耳の詰まりの原因となることがあります。
耳管の開閉は自律神経によってコントロールされており、精神的な緊張や疲労、睡眠不足などが続くと働きが鈍くなり、内部の圧調整がうまくできません。
このような場合、「検査しても耳に異常が見つからないのに、詰まりを感じる」「耳鳴りやめまいを伴う」といった症状が現れることがあります。
リラックスできる時間の確保、十分な睡眠、適度な運動を取り入れ、放置すると慢性化することがあるため、必要に応じて医師への相談をおすすめします。
耳管の開きっぱなし(耳管開放症)によるもの
耳管が開きっぱなしになる耳管開放症でも、耳が詰まるような違和感を感じる場合があります。
耳管は唾を飲み込んだりあくびをしたときに一瞬だけ開き、普段は閉じていることで中耳の圧力を適切に保つのが本来の仕組みです。
ところが耳管開放症では、常に開き気味の状態になってしまうため、鼻の奥の空気の動きや自分の声・呼吸音がそのまま中耳側に伝わります。
その結果、「耳がふさがっている」「膜が張っている」といった耳閉感や、自分の声が頭の中で響いて聞こえる自声強聴が起こります。
耳が詰まるように感じたら試したい対処法

鼻をかんだあとや風邪のときなどに耳の詰まりを感じた場合、多くは一時的なものであるため、焦らず以下のような対処が必要です。
- 軽い詰まりなら耳抜きをしてみる
- 鼻うがいをする
- 温かい蒸しタオルをあてる
- 適度な運動を心がける
- ストレスを発散させる
ここでは、自宅で簡単にできる安全な対処法を紹介します。
ただし、これらの方法で改善しない、または痛みや聞こえの変化を伴う場合には、すぐに耳鼻科を受診してください。
特に炎症や中耳炎の可能性があるときは、セルフケアで悪化させてしまうこともあるため注意が必要です。
軽い詰まりなら耳抜きをしてみる
耳抜きは、飛行機や高層地で耳がつまるときにも使われる方法で、耳管の気圧を調整するのに効果的です。
軽い詰まりを感じたら、まずこの方法を試してみましょう。
代表的な耳抜き「バルサルバ法」の手順は以下の通りです。
- 深呼吸してから口を閉じ、鼻を軽くつまむ
- 鼻をつまんだまま、息を「ふっ」と軽く出すような感覚で圧をかける
- 耳の奥で「ポン」と抜ける感覚があれば成功
ただし、強く息を吹かないことがポイントです。
無理に圧をかけると、鼓膜や耳管を傷つけてしまいます。
また、風邪や鼻炎で鼻が詰まっているときは逆効果になるため、無理せず様子をみましょう。
鼻うがいをする
鼻の奥に炎症や粘液が溜まって耳管を圧迫していると、気圧の調整が難しくなります。
このようなときに有効なのが鼻うがいです。
鼻うがいによって、余分な粘液や花粉、ほこりを洗い流し、鼻や耳管の通りをスムーズにします。
市販の鼻うがいキットを使えば、洗浄液が生理食塩水の濃度に調整されており、痛みを感じにくく安全です。
シャワーや水道水を直接使用すると痛みや感染のリスクがあるため、必ず専用の溶液を使用してください。
温かい蒸しタオルをあてる
耳の詰まりが続いているときは、耳のまわりや首筋の血行が悪くなっている場合もあります。
そのようなときには温かい蒸しタオルを耳の周辺にあてるのがおすすめです。
温めることで血流が促進され、むくみが取れやすくなり、耳管の通りを改善する効果が期待できます。
蒸しタオルは、清潔なタオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで30秒ほど温めるだけで簡単に作れます。
耳の後ろや首の付け根に3~5分ほどあてると、じんわり温まってリラックス効果も得られるでしょう。
適度な運動を心がける
耳の詰まりは、一見関係のなさそうな全身の血行不良から起こるケースも少なくありません。
運動不足が続くと、自律神経の働きが鈍り、耳管もスムーズに開閉しにくくなります。
特にデスクワーク中心の方は、長時間同じ姿勢でいると首や肩がこり、耳の周辺への血流も悪くなります。
そのため、ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い運動を日常から取り入れることで、耳の違和感が軽減するケースもあるでしょう。
ストレスを発散させる
精神的なストレスや過労が続くと、耳管の動きを調整する自律神経が乱れやすくなります。
ストレスで筋肉がこわばり、血流が悪くなることでも耳の詰まりや耳鳴りを感じやすくなります。
そのため、ストレスをうまく発散し、リラックスする時間をつくることが大切です。
深呼吸や瞑想、湯船につかる、軽い音楽を聴くなど、自分に合った方法でリラックスできる習慣を持ちましょう。
特に寝不足や強いプレッシャーが続くと、耳鳴りや圧迫感が慢性化することがあります。
仕事や生活習慣の見直しを行い、十分な睡眠とバランスの良い食事も耳の健康に関係します。
耳鼻科をすぐに受診すべき症状

耳の詰まった感覚は一時的な症状のケースが多いですが、なかには病気のサインとして現れている場合があります。
特に以下のような症状では、中耳炎や耳管機能障害だけでなく、突発性難聴、外耳道炎、さらには内耳の疾患などが隠れている可能性があるため、注意が必要です。
- 症状が長引いている
- 症状が片耳だけ
- 耳鳴りがする
- 音が聞こえにくい(聞こえなくなった)
- 痛みを伴う
- めまいがする
ここでは、耳鼻科をすぐに受診すべき症状を解説します。
症状が長引いている
耳の詰まりの症状が長引いている場合は、単なる一時的な気圧の変化ではなく、耳管の炎症や閉塞が生じている可能性があります。
特に、風邪が治っても詰まり感だけが残っている場合には、滲出性中耳炎や耳管機能障害が疑われるでしょう。
これらの病気は、耳の中にたまった液体や炎症によって、鼓膜の動きが制限されて起こります。
時間が経つほど改善が難しくなるため、早めの治療が重要です。
難聴や鼓膜穿孔などの可能性があるため、翌日まで症状が続いていたら耳鼻科を受診しましょう。
スケジュールの関係で来院が難しい場合もありますが、『はら耳鼻咽喉科』は土日の診療も行っているため、まずはご相談ください。
症状が片耳だけ
片方の耳だけに詰まりを感じる場合は、外耳道の耳垢栓塞や急性感音難聴などを疑う必要があります。
特に、詰まりとともに急な聞こえにくさがある場合は、突発性難聴の可能性が高く、48時間以内の治療がカギです。
突発性難聴は内耳の血流障害などによって発症し、放置すると後遺症が残る危険があります。
また、まれに耳の詰まりが片耳に集中している場合は、聴神経腫瘍などが影響しているケースもあるため、MRIなどの検査が必要になります。
一方で、単純な耳垢の詰まりであれば、耳鼻科で簡単に除去してもらうだけで問題ありません。
耳鳴りがする
耳の詰まりに加えて「キーン」「ジー」「ブーン」といった耳鳴りが生じる場合、内耳や神経の異常が関係していることがあります。
耳鳴りは、一過性のものならさほど心配いりませんが、長く続いたり片耳だけに起きるときは要注意です。
突発性難聴やメニエール病、音響外傷などが原因となることがあり、早期の受診と治療が回復のポイントです。
特に耳鳴りと聞こえづらさが同時に起こっている場合は、内耳でのトラブルを示している場合があります。
まずは耳鼻科で検査し、必要に応じて他の診療科との連携治療を行うのが望ましいです。
音が聞こえにくい(聞こえなくなった)
耳の詰まりとともに聴力の低下がある場合は、早めの受診が不可欠です。
特に、急に聞こえが悪くなった場合は突発性難聴の可能性があり、できれば24〜48時間以内に治療を開始することが望ましいとされています。
治療が遅れると聴力の回復が難しくなるため、早期発見・治療が大切です。
一方で、徐々に悪化している場合は、加齢に伴う難聴や慢性中耳炎などのケースもあります。
耳の聞こえは日常生活に直結する大切な機能です。
耳鳴りや詰まりを軽く考えず、少しでも異常を感じたら耳鼻科で検査を受けましょう。
痛みを伴う
耳の詰まりと同時に痛みがある場合は、炎症や感染症が起きている可能性が高いです。
外耳炎、中耳炎、内耳炎など、いずれも放置すると悪化しやすい疾患です。
特に、中耳炎は小さな子どもや風邪をひいたあとに発症しやすく、耳の中に膿がたまって強い痛みや熱を引き起こすことがあります。
「耳が引っ張られるように痛い」「ズキズキと痛む」「寝るときに痛みが増す」といった場合には、すぐに受診してください。
なお、セルフケアによっては状態を悪化させることがあるため、避けたほうが安全です。
めまいがする
耳の詰まりにめまいやふらつきを伴う場合、内耳の機能が不安定になっているサインかもしれません。
平衡感覚をつかさどる前庭という器官が内耳にあり、炎症や水分バランスの乱れによってめまいが起きます。
代表的な疾患は、メニエール病や前庭神経炎などです。
これらの病気では、めまいに加えて耳鳴りや耳の圧迫感を伴うことが多く、ストレスや睡眠不足、塩分の摂りすぎなどが誘因になるともいわれています。
また、耳だけでなく脳や自律神経の異常が原因でめまいが生じるケースもあるため、立っていられないほどの強いめまいがある場合は、耳鼻科または神経内科を早急に受診してください。
まとめ
鼻をかむと耳が詰まったように感じるのは、耳管を通じた気圧差が主な原因です。
鼻を強くかむと中耳に圧力が伝わり、耳管の圧力バランスが崩れ、耳垢の詰まり、耳管の腫れ、自律神経の乱れも関与します。
一時的な症状のケースがほとんどですが、軽症時は耳抜き、鼻うがい、温め、運動、ストレスケアを試しましょう。
ただし、片耳だけの違和感、耳鳴りがする、音が聞こえにくい、痛みやめまいなどの症状がある場合は、耳鼻科への受診を検討してください。
耳の詰まりでお悩みの方は、東西線葛西駅中央口から徒歩約6分にある『はら耳鼻咽喉科』へご相談ください。
当院は土曜日・日曜日の診療も対応しており、水曜日は21時30分までが診療時間です。
仕事終わりでも通える耳鼻科をお探しの方にも来院いただけます。
また、標準純音聴力検査・ティンパノメトリー・耳管機能検査・DPOAE・耳小骨筋反射・耳用CTなど充実した検査機器もあり、隠れた疾患を見逃さないように診察いたします。